論文がNature Structural & Molecular Biologyに掲載されました

渡辺亮平先生がペンシルベニア大学で行った、Vacuolar Tauopathy(VT)およびAlzheimer disease(AD)の患者脳由来タウ線維に関する研究成果が、Nature Structural & Molecular Biology誌に掲載されました。

Repositioning of polyubiquitin alters the pathologic tau filament structure

Ryohei Watanabe, Benjamin C. Creekmore, Nabil F. Darwich, Courtney L. Smith, Hong Xu, Angelina Baltazar, Sacha Salphati, Lakshmi Changolkar, Kevt’her Hoxha, Bin Zhang, Caroline M. O’Rourke, George M. Burslem, Virginia M.-Y. Lee, Yi-Wei Chang, Edward B. Lee

Nature Structural & Molecular Biology
https://www.nature.com/articles/s41594-026-01879-4

本論文では、ADおよびVTの患者脳から抽出したタウ線維について、マウス脳への接種実験とクライオ電子顕微鏡(cryo-EM)による構造解析を行いました。ADタウとVTタウでは、マウス脳内に形成されるタウ病理の分布や形態に異なる特徴がみられました。また、VT患者脳では複数の異なるタウ線維構造が認められ、それぞれで線維を構成するプロトフィラメント間の結合様式が異なっていました。

さらに、タウ線維に付加されたユビキチン化に着目し、ポリユビキチンに結合する化合物であるubistatin Bを線維に反応させた後に構造解析したところ、一部のVTタウ線維では、線維コア周囲の電子密度の分布およびプロトフィラメント間の界面構造に変化が認められました。これらの結果から、タウ線維の構造は、線維上に存在する翻訳後修飾によって影響を受ける可能性が示されました。

なお、本研究に用いたVT症例の臨床・病理学的特徴を下記で報告しています。今回の研究は、これらの患者脳に蓄積したタウ線維を、分子構造のレベルでさらに解析したものです。

Clinicopathological characterization of vacuolar tauopathy associated with VCP D395G

Watanabe R, Papatriantafyllou JD, Maeda K, et al.

Alzheimer’s & Dementia 21, e70427 (2025)
https://alz-journals.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/alz.70427