慢性外傷性脳症におけるタウ線維の新たな構造多型

当科の渡辺亮平先生とペンシルベニア大学との共同研究成果が、プレプリントとして公開されました。

Structural heterogeneity of CTE Type I tau filaments with an interface-shifted polymorph
Ryohei Watanabe, Edward B. Lee, MD, PhD
 
 
 
慢性外傷性脳症(chronic traumatic encephalopathy: CTE)は、反復する頭部への衝撃と関連し、脳内に異常なタウ蛋白質が線維として蓄積する神経変性疾患です。

今回の研究では、公開されているCTE患者脳由来のクライオ電子顕微鏡データを解析し、従来知られていた CTE Type I に加えて、同じ基本構造を保ちながら、2本のプロトフィラメントの接合位置がずれた構造を見出し、CTE Type I-like として報告しました。

さらに、CTE Type IとCTE Type I-likeが同じタウ線維内で連続して存在し得る可能性が示されました。これは、患者脳由来タウ線維の構造多様性が、異なる線維同士の間だけでなく、一本の線維の内部でも生じ得ることを示唆する結果です。